鍼灸治療の適応部位
顔は、人体の内部環境を鏡のように映す重要な部位です。
東洋医学の陰陽五行では肝臓は目を支配しているといわれます。
よって、目の疾患を治療する時には局所ツボ治療だけではなく、肝経のツボも併用します。
■顔面刺鍼による治療例
弱視、視神経萎縮症、飛蚊症、眼瞼下垂症、顔面神経マヒ、顔面神経けいれん、顎関節症、歯痛、耳鳴り、難聴、歯周病、蓄膿症、嗄声、鼻血など。
美容目的する場合も顔面刺鍼は有効です。
頭は、中枢・脳神経が集まっている重要は部位です。
脳神経の働きにより、運動神経(骨格筋)と自律神経(内臓平滑筋)が支配されるため、頭の治療に足のツボに刺鍼したり、手・腕の治療に首や肩にあるツボを
刺鍼します。
■頭、首、肩部刺鍼による治療例
パーキンソン病、脳血管障害の後遺症、多系統萎縮症、頚性斜頸、重症筋無力症、脊髄小脳変性症、円形脱も症、脳性マヒ、薄毛、学習障害、子宮筋腫、味覚賞
障害、片頭痛など
手・腕・足には副交感神経が多く、副交感神経は自然治癒力を高める重要な働きをします。
交感神経の働き過ぎによる身体の不調については、副交感神経を高めて交感神経を抑制することで調整を行います。
肘から手まで、膝から足先までには要穴という重要なツボがあり治療効果が高いもっとも重要な部位です。
■手・腕・足部刺鍼による治療例
自律神経失調症、立ちくらみ、胃痛、便秘、下痢、乾癬、アトピー皮膚炎、多汗症、皮膚かゆい生理痛、男女不妊症、インポテンツなど
腹部は、陰陽五行でいう陰であり、ツボ経路での陰経(肝、脾、腎、任脈など)と、陽経(胃など)を通す部位でたくさんの重要なツボが集まっていま
す。
■腹部刺鍼による治療例
元気がない場合、食欲がない場合、消化器系疾患、皮膚科系疾患、婦人科系疾患、内分泌系疾患など
背中は、陰陽五行でいう陽であり、ツボ経絡での膀胱経と督脈を通す部位です。
五臓六腑に繋がるツボもたくさん集まっているため、邪気が臓器に入りやすい部位といわれています。
背中に刺鍼したり、吸い玉灸をしたりして鍼灸治療点としてもっとも効果がある部位です。
■背中・腰部刺鍼による治療例
腰痛、肺炎、肝炎、胃腸炎、肩こり、五十肩など